シンガポール 硬貨と紙幣博物館

Singapore Coins and Notes Museum

閉店・移転、情報の修正などの報告

チャイナタウンにある硬貨と紙幣の博物館。貨幣を通してシンガポールの歴史を学べます。各国の貨幣のコレクションも充実!

こんにちは、シンガポールナビです。今日はチャイナタウンの観光の中心、パゴダ・ストリートにオープンした硬貨と紙幣の博物館についてご紹介します。シンガポール造幣局が運営しているこの博物館では、シンガポールがまだ発見されていなかった時代から、英国や日本の統治時代、シンガポール独立後の硬貨と紙幣を通じて、シンガポールの歴史を並ぶことができます。カラフルで美しい記念コインや、世界の18ヶ国の国々の硬貨や紙幣のコレクションも必見。身近にあるお金を通じて、歴史の流れや技術の進歩を実感することができますよ。入場者は見学の記念に、マーライオンコインを鋳造させてもらえるのも大きな魅力。チャイナタウン観光の合間にぜひお立ち寄りください。

入場券を買ったら、まずマーライオンコインを作りましょう!

硬貨と紙幣博物館はパゴダ・ストリートにずらりと並ぶ、間口が狭くて奥行きが深いショップハウスの一角にあります。玄関ポーチの部分には、ミクロネシア地域のヤップ島で使われた、世界でいちばん大きな石の通貨のレプリカが飾られています。直径なんと4m! 真ん中の穴の部分には棒を通して、二人の人間で担いだそうですよ。ポーチの向かい側には、コイン鋳造機があります。玄関をくぐると1階の手前はショップになっており、チケットは奥のカウンターで買うことができます。
ヤップ島の世界最大の石貨

ヤップ島の世界最大の石貨

ポーチ部分にあるコイン鋳造機

ポーチ部分にあるコイン鋳造機

1階奥にチケット売り場があります。

1階奥にチケット売り場があります。

入場料を支払って、見学の印の丸いステッカーを服に貼ると、博物館のスタッフが無地のコインをくれます。まずこれを、1階外のポーチにあるコイン鋳造機のところへ持っていきましょう。矢印が書かれているスリットにコインを入れると、あっという間に裏表にマーライオンが描かれたコインを作ることができます。いかにもシンガポールらしい絵柄なので、旅の記念に最適です。コインを保存するための黒い巾着袋も併せてもらえますよ。
コイン造幣機のスリットに、無地のコインを入れると…

コイン造幣機のスリットに、無地のコインを入れると…

あっという間に表も裏もマーライオンのコインが出来ます!

あっという間に表も裏もマーライオンのコインが出来ます!

シンガポールの貨幣が作られる以前

館内の見学は2階からスタート。ギャラリー1には、シンガポールがまだ発見されていなかった時代の世界の貨幣から、英国や日本の統治時代の貨幣のコレクションまで、ずらりと展示されています。「1819年以前」の展示ケースの中には、古代中国で使われていたナイフ型のお金や、ジャワ島で使われていた弾丸状の硬貨など、珍しいお金のコレクションが並んでいます。
古い貨幣が並んでいるギャラリー1

古い貨幣が並んでいるギャラリー1

古代中国のナイフ型の通貨や銅銭

古代中国のナイフ型の通貨や銅銭

ジャワ島で使われていた弾丸状の硬貨

ジャワ島で使われていた弾丸状の硬貨

1819年にラッフルズ卿がシンガポールに上陸した当時は、東南アジア諸国ではスペインの硬貨とメキシコの硬貨が主に使われていました。1835年にイギリス東インド会社が東南アジアの公式通貨を作りましたが、この時期のシンガポールでは様々な国の硬貨が入り乱れて使われていたそうです。「1819-1840年代」の展示ケースには、この時代に諸国が取引に使っていた硬貨が展示されています。
1800年代の硬貨のコレクション

1800年代の硬貨のコレクション

最も出回っていたスペインの硬貨

最も出回っていたスペインの硬貨

イギリス東インド会社が作った硬貨

イギリス東インド会社が作った硬貨

シンガポールの植民地時代の貨幣

シンガポールを統治していたイギリスによって、初めて「海峡植民地紙幣」が発行されたのが1902年。熱帯らしく、裏側にトラの絵が描かれた紙幣が、「1900年代-1910年代」の展示ケースの中に飾られています。第一次大戦後にはデノミネーションのために新しい紙幣が緊急発行され、その絵柄は水牛が荷車を引く田園風景のものになりました。これは「1910年代-1930年代」の展示ケースの中にあります。各時代の英国王の肖像が刻まれたコインも数多く展示されており、時代の流れを感じさせます。
英国によるシンガポール初の紙幣

英国によるシンガポール初の紙幣

田園風景が描かれた1925年の紙幣

田園風景が描かれた1925年の紙幣

ジョージ6世の肖像が刻まれた硬貨

ジョージ6世の肖像が刻まれた硬貨

1941年に日本がマレー半島を占領すると、日本統治下で新しい紙幣が発行されます。新しい紙幣は表面にバナナの木の絵柄が描かれていたため、通称「バナナマネー」と呼ばれていました。「1941年-45年」の展示ケースで、バナナやヤシの木や海が描かれた、これらの紙幣を見ることができます。
日本統治下で発行された紙幣

日本統治下で発行された紙幣

表面にバナナの木が描かれています。

表面にバナナの木が描かれています。

シリアルナンバー入りの紙幣

シリアルナンバー入りの紙幣

シンガポール独立後の貨幣

ギャラリー2には、シンガポール独立後の紙幣と硬貨が展示されています。1967年にシンガポール政府による最初の紙幣が発行されました。絵柄のテーマはシンガポールの象徴とも言えるランの花。バンダやレナンテラなどの美しいランの花が、カラーで印刷されています。同じ1967年に最初の硬貨も発行されており、こちらの絵柄のテーマは島国らしく、海の静物になっています。紙幣・硬貨ともに、南国のムードをよく伝えるデザインです。
ギャラリー2は独立後の貨幣を展示

ギャラリー2は独立後の貨幣を展示

最初の紙幣のデザインはランがテーマ

最初の紙幣のデザインはランがテーマ

海がテーマの最初の硬貨が並びます。

海がテーマの最初の硬貨が並びます。

ランの花が描かれたシンガポール独立後の紙幣

ランの花が描かれたシンガポール独立後の紙幣

1967年発行の硬貨のデザインは、海の静物がテーマ

1967年発行の硬貨のデザインは、海の静物がテーマ

1976年には紙幣のデザインが変更になりました。第2シリーズの紙幣の面の絵柄のテーマは鳥。新しい共和国を象徴として、強さ、適応力、独自性を持った鳥が選ばれています。裏側にはシンガポールを代表する文化や産業を表す絵が描かれています。シンガポール航空のコンコルドが描かれたお札などが印象的なので、チェックしてみてください。1984年には第3シリーズの紙幣が発行され、絵柄のモチーフは貿易国シンガポールを象徴する船になっています。この頃から不可視インクが導入されるなど、セキュリティ面が強化されていきました。
1976年発行の紙幣第2シリーズ

1976年発行の紙幣第2シリーズ

南国の鮮やかな鳥がテーマ

南国の鮮やかな鳥がテーマ

裏面はシンガポール航空のコンコルド

裏面はシンガポール航空のコンコルド

1984年発行の紙幣第3シリーズの絵柄は船がテーマ

1984年発行の紙幣第3シリーズの絵柄は船がテーマ

裏面には国花のランやマーライオンが描かれています。

裏面には国花のランやマーライオンが描かれています。

1999年には、現在のシンガポール・ドル紙幣と同じ、初代大統領ユソフ・ビン・イサークが描かれた第四シリーズの紙幣が発行されています。こちらはすかしやキネグラムや非対称のシリアルナンバーなど、より一層セキュリティが強化された紙幣となりました。2004年以降は、高分子のポリマーを素材にした紙幣となり、現在に至っています。同じデザインでありながら、旧素材と新素材では微妙に異なる質感。実物をご覧になって、比較してみてください。
1999年発行の紙幣第4シリーズ

1999年発行の紙幣第4シリーズ

初代大統領が描かれています。

初代大統領が描かれています。

ポリマーを素材にした現在の紙幣

ポリマーを素材にした現在の紙幣

色鮮やかな記念コインのコレクション

ギャラリー2には、シンガポールおよび各国の記念コインも展示されています。シンガホールのランを描いた美しいコインから、話題になったブータン国王夫妻のご成婚記念コインなど、種類は様々。パッドプリンティング技法を使った鮮やかなフルカラーのコインには、きっと目を奪われることでしょう。1階のショップで実際に購入できるものもありますので、気に入ったコインのチェックをお忘れ無く。
記念コインのコレクション

記念コインのコレクション

ブータン国王夫妻ご成婚記念コイン

ブータン国王夫妻ご成婚記念コイン

シンガポールのランの花の記念コイン

シンガポールのランの花の記念コイン

18ヶ国の現在の貨幣が勢揃い

ギャラリー2を見た後は階段を降りて、1階奥にあるギャラリー3へ。ここには世界18ヶ国の、現在の紙幣と硬貨が展示されています。米ドルやユーロなどのおなじみのものから、ブルネイ、ミャンマー、インド、パプア・ニューギニアなどの、あまりお目にかかる機会のない硬貨やコインまで。もちろん日本円も展示されています。面白いのは、硬貨が展示されているコーナーに、18マスに区切られた紙と色鉛筆が置いてあること。それぞれの硬貨の上に紙を置いて色鉛筆でこすると、表面に硬貨の絵柄が転写されるという遊びのための道具です。童心に戻ってやってみると、結構楽しいですよ! この展示室では、硬貨のデザインの課程や、シンガポール・ドル紙幣に施されたセキュリティについても解説しています。
8ヶ国の貨幣が並ぶギャラリー3

8ヶ国の貨幣が並ぶギャラリー3

ブルネイの紙幣(ブルネイ・ドル)

ブルネイの紙幣(ブルネイ・ドル)

ミャンマーの紙幣(チャット)

ミャンマーの紙幣(チャット)

色鉛筆で各国の硬貨の上を擦ったもの。絵柄が見えます。

色鉛筆で各国の硬貨の上を擦ったもの。絵柄が見えます。

硬貨の原版を作る際に使う道具

硬貨の原版を作る際に使う道具

おみやげに記念コインはいかが?

1階の手前部分には、各国の記念コインを販売するショップがあります。シンガポールのランの花をデザインしたコインから、中国の干支の記念コインまで、種類は様々。キティちゃんなどのキャラクターがデザインされた銀貨も人気がありますよ! 博物館に足を運んだ記念に、気に入ったデザインのものをひとつ買ってみるのはいかがでしょう?
コインを販売する1階のショップ

コインを販売する1階のショップ

シンガポールのランの花の記念コイン

シンガポールのランの花の記念コイン

サンリオ50周年の記念コイン

サンリオ50周年の記念コイン


身近にありながら、日頃しげしげ眺めることなどない硬貨と紙幣。この博物館をまわりながら、お金の成り立ちとシンガポールの歴史について、いっしょに触れてみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。
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記事登録日:2011-12-09

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スポット登録日:2011-12-09

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