シンガポールが世界に誇る水族館。巨大水槽の中を通る、83mものアクリルトンネルはめぐるコースは圧巻。可愛いピンクイルカのショーも見もの。
こんにちは、シンガポールナビです。今日はセントーサ島の中でも最大の見どころのひとつ、「アンダー・ウォーター・ワールド」についてご紹介します。250種以上、約2500の魚たちが飼育されているこの水族館は、バラエティ豊かな展示方法で大人も子供も魅了しています。魚たちと触れ合えるコーナーや、6mを越える円柱状の水槽、巨大水槽の中にある全長83mのトンネルを「動く歩道」に乗って進むコース等々・・・2009年の11月からは、以前はパラワン・ビーチにいた「ピンクイルカ」が屋外プールに引っ越してきて、新しく開設された「ドルフィン・ラグーン」で楽しい芸を披露しています。この水族館を訪れれば、普段はなじみのない海洋生物が身近に思えること間違いなし!
アンダー・ウォーター・ワールドへは、島内のフリーシャトルで行けます
ビボ・シティの3階にあるチケット売り場
水族館のあるセントーサ島へ行くには、「セントーサ・エクスプレス」というモノレールを使うのが便利です。MRTのハーバーフロント駅へ行き、直結しているショッピング・センター「ビボ・シティ」の3階へ上がると、モノレールのセントーサ・ステーションがあります。ここのカウンターではセントーサ島への往復チケットだけでなく、アトラクションのチケットも購入できます。「アンダー・ウォーター・ワールド」のチケットも、ここで買っておくと良いでしょう。
セントーサ・エクスプレスに乗ると、右手に全長37mの巨大なマーライオンが見えてきます。アンダー・ウォーター・ワールドへ行くには、3つめの駅のビーチ・ステーションで降ります。駅の階段を降りたら、左手にあるフリーシャトルのステーションで、「ブルーライン」のバスに乗りましょう。10分弱で「アンダー・ウォーター・ワールド」に到着します。停車するときにはアナウンスを流してくれるので、安心です。また、海岸沿いを走るビーチ・トラムに乗り、シロソ・ビーチ終点で降りると、アンダー・ウォーター・ワールドが目の前にあります。
島内を走るフリーシャトル
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アンダー・ウォーター・ワールドの入り口
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魚たちと触れ合い、生きた化石が悠々と泳ぐ一階
入り口を抜けて一階の展示室に入ると、6mを越える円柱状の水槽が姿を現します。色鮮やかなチョウチョウウオたちが岩の周りを上へ下へと泳ぎ回る様子はとても優雅。右手には魚やヒトデたちと触れ合えるタッチ・プールが広がっていて、子供たちに人気スペースになっています。
注目してほしいのは「MAGIC-T」と呼ばれる水槽。ガラスに開けられた開口部から手を突っ込み、魚たちにエサをやることができます(写真右。エサは有料)。魚たちが争って指先のエサを突きにくる面白さもさることながら、不思議なのはパックリ開いた開口部から水があふれ出ないこと! 実はMAGIC-Tという名称は「Mystical Anti-Gravity Interactive Concept Tank(重力に逆らった不思議な双方向水槽)」の略で、水槽内部に真空状態を作り出すことによって内部を低圧に保ち、水が流れ出るのを防いでいるのだそう。開口部にはエサを期待する魚たちが、自発的にワラワラと入ってくることもあります。
MAGIC-Tの隣りにある「生きた化石(Living Fossil)」の部屋は、太古の昔にタイムスリップしたような雰囲気。テーマパークのように雰囲気満点の内装の中で、体長3mのピラルクたちが悠々と泳いでいます。1億年間ほとんど姿が変わっていないと言われるピラルクは、水槽の王者の風格。時を越えて生き続ける魚たちの姿をじっくりご覧ください。
雰囲気満点の「生きた化石」の部屋の入り口
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体長3mのピラルクたちが悠々と泳ぐ大水槽
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半地下(ミッドホワイエレベル)ではリーフィー・シードラゴンが必見
生きた化石の部屋を出て、半地下へ降りると、ユニークな海の生物たちの水槽が並んでいます。世界最大のタコであるミズダコ、殻の縞模様が美しいオウムガイ、やたらと長い足にビックリのタカアシガニ(写真右)など・・・
中でも必見なのは、黄色い葉っぱが泳いでいるかのような姿をした「リーフィー・シードラゴン」のいる水槽。タツノオトシゴの仲間(正確にはヨウジウオ亜科)のこの生物は、海藻にカモフラージュして、天敵や獲物の目を欺いています。一見したところでは、「どこにリーフィー・シードラゴンがいるの?」と思わず目を凝らしてしまうほど。同じ水槽で泳いでいる「ウィーディー・シードラゴン」の、のんびりした姿も愛らしいのです。
海藻が浮かんでいるようなリーフィー・シードラゴン
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のんびりと泳いでいるウィーディー・シードラゴン
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地下のトンネルレベルには、全長83mの「巨大水槽内トンネル」が!
さらに階段を下って「トンネルレベル」に行くと、まず珊瑚の海を再現した水槽が目に飛び込んできます。黄色が鮮やかなチョウチョウウオや、青いナンヨウハギが泳ぎ回る水槽は、まるでお花畑を見ているよう。珊瑚の間に見え隠れする愛らしいクマノミは、特に人気があります。珊瑚の海の水槽の隣りには、幻想的クラゲの水槽があり、ゆらゆらと泳ぐ姿が時を忘れさせてくれます。
チョウチョウウオやツノのあるテングハギが泳ぐ珊瑚の海
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クラゲたちが泳ぐ幻想的な水槽
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その先へ進むと、いよいよ水族館最大の目玉の「巨大水槽内トンネル」めぐりが! 全長83mものアクリルトンネルの中を、動く歩道に乗って進んでいくと、視界いっぱいに熱帯魚やサメの群れが迫ってきます。大きなエイやトラフザメが、お腹を見せて頭上を渡る様子などは、あまりに近くてこちらが見えているのではないかと思うほど。体長4mにも育った大きなサメ「シロワニ」(属名にワニと付いていますが、れっきとしたサメ)が、すぐ隣を泳ぐ姿などは圧巻です。トンネルの最後の部分にはジュゴンの棲むゾーンがあり、優美に尾をくねらせながら泳ぐ姿がまるで人魚のようです。
動く歩道の両脇には、普通の小道も伸びています。だからトンネルの途中で気に入った魚をみつけたら、一旦そちらに降りて写真撮影をすることも可能です。トンネルめぐりのあまりの面白さに、一周しただけでは飽きたらず、二周も三周もするお客さんが続出。まるで自分が海の中を探検しているような気分になれる、そんなトンネルめぐりなのです。
ピンクイルカが芸を披露するドルフィン・ラグーン
トンネルレベルを抜けて外へ出ると、右手にドルフィン・ラグーンへの誘導路があります。ここは2009年11月にオープンしたピンクイルカのためのプールで、それまではパラワン・ビーチにいたピンクイルカたちが、1日4回ショーを披露しています(土曜日は5回)。水族館にピンクイルカの住み処が併設されたことで、観客との距離がグッと縮まりました(写真右がドルフィン・ラグーンの入り口)。
ここにいるピンクイルカたちの正式名称は「シナウスイロイルカ」。東シナ海・インドネシア、ニューギニア島からオーストラリア北部にかけての海に棲んでいます。実は全身がピンク色というわけではなく、背中はピンクとグレーのまだら。しかしお腹はくっきりと美しいピンク色をしているため、仰向けに泳ぎながら前ビレを振る演技をするときが、絶好の撮影チャンスになっています。客席の歓声に手を振って応えるかのように、前ビレをフリフリする様子はとっても可愛いですヨ!
鼻面でボールを突いたりジャンプをするピンクイルカたちは、大変な人気者。プールの周りを囲んだ観客席は、あっという間に満席になってしまいます。良い位置でショーを見たい人は、ショータイムの30分前には座席を確保しておくこととをオススメします。
ショーの合間にスタッフからご褒美をもらうピンクイルカ
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鼻面で輪っかを回すピンクイルカたち
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平日も満員のドルフィン・ラグーンの観客席
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日本語の案内もあるドルフィン・ラグーンの看板
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珍しい海洋生物にたくさん会えるアンダー・ウォーター・ワールドでは、一日に数回、あちこちの水槽で餌付けの様子を公開しています。ピンクイルカと一緒に泳いだり、サメやジュゴンとダイブできるプログラムもありますので(事前予約制)、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。以上、シンガポールナビでした。